危機から生まれる機会：インドのスタートアップ市場の変遷

シリコンバレーで有名なアクセラレーター、Y Combinator（YC）に選ばれたインドのスタートアップの数が2021年の66社から2024年にはわずか4社へと激減しました。インドはこれまでYCの国際市場で最も活発な一角でしたが、最近ではインドの創業者たちが国内に拠点を置く傾向が強まっています。これは、国内の規制動向の進展と、国内の株式市場への上場が有望なためです。

YCインドポートフォリオに関わる業界の経営者や創業者によると、この減少は複数の要因によるものです。例えば、YCが受け入れたスタートアップに米国、カナダ、シンガポール、またはケイマン諸島に親会社を設立することを求めるなどです。さらに、国内でのIPOを見据えて保有会社をインドに移転するスタートアップが増えており、米国での高額な税金を支払うことが必要となるためです。例として、昨年、米国からインドへ親会社を移転した株式ブローカーのプラットフォームGrowwは約1億6000万ドルの税金を払ったとされています。

さらに、YCが、米国をベースにした技術者の周りに構築される先端技術（ディープテック）とAIに重点を置いたスタートアップへの関心を高めていることも要因として挙げられます。インドの企業は入会が困難になりつつあります。

しかしインド国内では、YCのようなグローバルアクセラレーターに依存する必要がなくなってきました。インドのVC、家族経営のオフィス、機関投資家、エンジェル投資家が増え、以前はYCなどが支援していたファンディングのギャップを埋めるようになっています。AIに特化したインドのスタートアップを支援するYC型のアクセラレーターも出現しています。

このような変化により、インドのスタートアップ市場は逆境の中に新たな機会を見出しており、進化と成長を遂げている姿が見受けられます。

出典 : https://m.economictimes.com/tech/startups/y-combinators-india-cohort-shrinks-amid-local-capital-reshaping-deals-ai-focus/articleshow/122326955.cms