インドのQ-コマース業界、食品安全違反で揺れる

インドの高速配達サービス、いわゆるQ-コマース（Quick-commerce）業界が食品安全法違反で注目を集めています。マハラシュトラ州の食品薬品局は、食品の安全法に大きく反する行為が見られたとして、Zeptoという会社の配送センターの業務を停止しました。これにより、Q-コマース会社が提供する食品の安全性に対する懸念が広がっています。

業界では特に3〜4社が市場をリードし、私たちの日用品の買い物の仕方に革命をもたらしました。月単位での買い物リストを作成し、一度に全てを購入する代わりに、必要に応じて食品を購入するスタイルが普及しました。しかし、この便利さとスピードと引き換えに、安全と健康を犠牲にしているのではないでしょうか。

また、消費者が「ダークストア」と呼ばれる在庫保管場所を見ることができず、衛生や安全基準の遵守が確認しにくいという問題も指摘されています。実際、ダーラヴィのダークストアでは、カビ発生の食品や冷蔵設備が適切でない温度で運転されているなど、多くの違法が発覚し、食品由来の疾病や大規模なアウトブレイクの危険性が指摘されています。ハイデラバード近辺のBlinkit社の倉庫でも同様の不衛生な状態が検出され、数万ルピーに相当する重量違反の食品や賞味期限切れの食品が押収されました。

このような違反が社会問題となっているにも関わらず、インドの消費者保護法や計量法に反しているにもかかわらず、適切な処置が取られていない状況が続いています。Q-コマース業界が食品安全法や消費者保護法に準拠しない場合、彼らは急成長を遂げた消費者基盤を失ってしまうかもしれません。
もっとも大きな問題は、消費者が商品の保存状態を直接確認できないことにあるのかもしれません。食品の安全が、我々の生活と直結している現代社会において、消費者はこれらの問題にどのように向き合うべきでしょうか。

出典 : https://www.tribuneindia.com/news/features/its-quick-but-is-it-safe/