インドデジタル決済市場の大手支配をめぐる新展開

インドのデジタル決済市場では、グローバル大手のフィンテックアプリの支配が問題視されています。
特に、統一決済インターフェース（UPI）のアプリ分野では、Google PayやPhonePeなどの企業が市場を牛耳っており、両者の市場シェアはそれぞれ48.4%と37.3%に上ります。
これに危機感を抱いた国営のナショナルペイメントコーポレーション・オブ・インディア（NPCI）は、第三者アプリ企業の市場シェアを30%に制限する提案を2020年11月に打ち出しました。
しかし、最近になり、NPCIはこの上限を40%以上に引き上げることを検討していることが報じられています。

技術進歩においては、PhonePeはUPIにクレジットライン機能を、Google Payは銀行口座の連携なしでオンライン決済が可能なUPI Circleサービスを開始しました。
さらに、インド政府はUPIシステムを世界に広めようと積極的に動いており、外国人観光客向けの「UPI One World」ウォレットの発売や、モルディブやマレーシアなど複数の国とのUPIサービス拡大を目指す協定の締結が進んでいます。
インドのIT大臣は30か国との覚書を締結し、UPIの国際的な拡張を推進していると述べています。
この動きはデジタルインドの展望を大きく変える可能性を秘めており、世界の決済市場におけるインドの影響力をさらに強化することになるでしょう。

出典 : https://inc42.com/buzz/npci-mulling-raising-upi-market-share-limit-to-over-40/