WTOで揺れるインドEV戦略：中国からの提訴

中国は、インド政府が電動車両（EV）およびバッテリーに対して提供している補助金が不公平な国内製造業者への利点を与えるとして、世界貿易機関（WTO）への苦情を申し立てました。
本件は、インドの電動車両政策や生産連動インセンティブ（PLI）スキームが、WTOの国民待遇の原則に違反し、多国間貿易規則下で明確に禁止されている輸入代替補助金にあたるというものです。

中国当局は「これらの措置はインドの国内産業に不当な利益をもたらし、中国の正当な利益を損なっている」と批判しています。提訴は、正式な争議手続きの第一歩として協議の要請として提出され、類似の申し立てが中国からトルコ、カナダ、そしてEUに対しても報告されています。

インド側の関係者は、中国からの協議要請があったことを確認し、WTOの手続に従って応答すると述べています。インドの商務産業省は、次の行動を決定する前に、中国からの詳細な提出物を検討するとしています。

この動きは、過去5年間の外交関係の停滞を経て、両国が関係正常化に向けた努力を進める中で、中国がインドへの自国製EVの輸出拡大を図るものです。インドのEVおよびバッテリーのインセンティブプログラムは、国内製造業の促進と、クリーンモビリティ、半導体、再生可能エネルギーなどの重要セクターでの輸入依存度を減らすことを目指した政府の戦略の中心です。

出典 : https://auto.economictimes.indiatimes.com/amp/news/auto-components/china-lodges-wto-complaint-against-india-over-ev-and-battery-subsidies/124594389